まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「毎日がクリスマス(I Wish It Could Be Christmas Everyday)」ウィザード(1973)(&「メリー・クリスマス・エヴリバディ」スレイド(1973))

 おはようございます。

    今日はウィザードの「毎日がクリスマス(I Wish It Could Be Christmas Everyday)」です。 


Wizzard - I Wish It Could Be Christmas Everyday (Official Music Video)

When the snowman brings the snow
Well he just might like to know
He's put a great big smile on somebody's face
If you jump into your bed
Quickly cover up your head
Don't you lock the doors
You know that sweet Santa Claus is on the way


Well I wish it could be Christmas every day
When the kids start singing and the band begins to play
Oh, I wish it could be Christmas every day
Let the bells ring out for Christmas


When we're skating in the park
If the storm cloud paints it dark
Then your rosy cheeks going to light my merry way
Now the frosticles appear
And they've frozen up my beard
So we'll lie by the fire
Till the sleep simply melts them all away


Well I wish it could be Christmas every day
When the kids start singing and the band begins to play
Oh, I wish it could be Christmas every day
Let the bells ring out for Christmas


When the snowman brings the snow
Well he just might like to know
He's put a great big smile on somebody's face
So if Santa brings that sleigh
All along the Milky Way
I'll sign my name on the roof top in the snow
Then he may decide to stay


Well I wish it could be Christmas every day
When the kids start singing and the band begins to play
Oh, I wish it could be Christmas every day
Let the bells ring out for Christmas
Well I wish it could be Christmas every day
When the kids start singing and the band begins to play
Oh, I wish it could be Christmas every day
Let the bells ring out for Christmas
Why don't you give your love for Christmas?


When the snowman brings the snow
When the snowman brings the snow

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スノーマンが雪を運んできたら
彼が知りたいのは
誰かの顔に満面の笑みを浮かべてないかってことかも
ベッドに飛び込んだら
素早く布団を頭までかぶって
ドアに鍵はかけないで
サンタクロースがやってくるって知ってるだろ


毎日がクリスマスならいいのにって僕は願う
子供たちが歌い始め、バンドが演奏し始めるとき
毎日がクリスマスならいいのにって願うんだ
クリスマスを祝って鐘を鳴らそう


公園でスケートをしているとき
もし嵐の雲が辺りを暗くしても
君のバラ色の頬が 僕の陽気な道を照らす
もう霜柱が立って
僕のひげを凍らせてしまった
だから、焚き火のそばで横になろう
眠りが全部溶かしてしまうまで

 

毎日がクリスマスならいいのにって僕は願う
子供たちが歌い始め、バンドが演奏し始めるとき
毎日がクリスマスならいいのにって願うんだ
クリスマスを祝って鐘を鳴らそう

 

スノーマンが雪を連れてきたら
彼が知りたいのは
誰かの顔に満面の笑みを浮かべてないかってことかも
だからもし、天の川に沿って
サンタがそりを運んできたら
屋上で雪に僕の名前をサインをしよう
そしたら彼はここに残ってくれるかもしれない

 

毎日がクリスマスだったらいいのに
子供たちが歌い始め、バンドが演奏し始めると
毎日がクリスマスならいいのに
クリスマスの鐘を鳴らそう
君もクリスマスに愛を捧げてみよう

スノーマンが雪を運んできたら

スノーマンが雪を運んできたら             (拙訳)

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 前回紹介した「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」がリリースされた1973年の年末にリリースされたクリスマス・ソングがこの「毎日がクリスマス(I Wish It Could Be Christmas Everyday)」です。そして、「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」同様、ロイウッド流フィル・スペクターサウンドになっていますね。

 

 ウィザードのリーダー、ロウ・ウッドはこう語っています。

「クリスマス・シングルを作ろうと思ったnのはそれが何年も流行っていなかったからなんだ。本物のロックンロール・クリスマス・ソングに挑戦する価値はあると僕らは思ったんだ。」

「人からはオーバー・プロデュースだと言われるけど、僕が出そうとしたのは、僕が個人的にクリスマスを連想する、ウォルト・ディズニーの音楽のような演出なんだ。映画のないディズニー映画の音楽なんだ」

                                                      ( 20 Dec 2011 The Gurdian)

 

 当時全米4位のヒット、それから、この曲のマスター・テープが紛失したそうで、それが見つかった際に歌を録り直して1981年に再発売。そして、全英ヒットチャートにダウンロードが加算されるようになった2007年から今年2019年まで毎年クリスマスシーズンになると毎年全英チャート入るという、スタンダードになりました。

 

 ロック・バンドの一番のヒット曲がクリスマス・ソングというのも相当めずらしいことですね。

 

 でも、もうひと組同じような例があります。

 そのバンドはスレイド。イギリスのグラム・ロックのバンドです(ウィザードもグラム・ロックとカテゴライズされることが多いです)。

 しかも同じ1973年のリリース。タイトルは「メリー・クリスマス・エヴリバディ(Merry Christmas Everybody)」。

www.youtube.com

 この曲を書いたのはメンバーのノディ・ホルダー(ボーカル&ギター)とジム・リー(ベース)でノディはこう語っています。

 

「ジムの義理の母が言ったんだ。『どうしてあなたは、誕生日やクリスマスとかバレンタイン・デーに毎年演奏できるような曲を書かないの?私が初めて書いた曲は、1967年のことだけど、『Buy Me a Rocking Chair to Watch the World Go By』というヒッピーでサイケデリックな曲だった。他のバンド・メンバーはゴミだと言ったよ。ジムはこのメロディーをあれこれいじって、私のフックとコーラスを彼のAメロに合わせて、彼の家で私に聴かせたんだ。その夜、私は地元の人たちや私の親友でツアー・マネージャーのグラハム・スウィナートン(スウィニー)と一緒に、ウォルバーハンプトンのトランペットというジャズ・パブで飲んでいた。僕は陽気になりながら、ママとパパの家の昔の寝室に戻って、一気に歌詞を書いたんだ」

                  (22 Dec 2021 The Gurdian)

 

  こちらは全英1位を獲得し、売り上げは100万枚を超え、ウィザードを凌ぐクリスマス・ヒットになっています。

 しかし、21世紀に入り、じわじわと「I Wish It Could Be Christmas Everyday」が巻き返しているようです。

 音楽の国民人気ランキングを発表するイギリスのTV番組シリーズ「The Nation's Favorite」が2012年に放送したクリスマス・ソングの特集では、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」が第2位、「Merry Christmas Everybody」が3位でした。

(ちなみに、1位がポーグスの「ニューヨークの夢(Fairytale Of New York)」。

 

ポーグスもクリスマス・ソングが最も有名なバンドということですね。ちなみにマライアが5位、ワム「ラスト・クリスマス」が8位、ジョン・レノン「ハッピー・クリスマス」が10位、ポール・マッカートニー「ワンダフルクリスマス・タイム」が15位です)

 

 ちなみに今年の最新の全英チャートでは、ウィザードが29位、スレイドが31位です。

これはもう、”クリスマス・ソングの永遠のライバル”みたいな様相を呈して来た感じですね。

 イギリスで、賑やかに、陽気な気分でクリスマスを楽しみたいというときにぴったりなクリスマス・ソングの”2強”であるのは間違いありません。

 

  さて、この曲のカバーの中で、僕が好きなのはニック・ロウ。ウィザードのロイ・ウッドより3歳年下なんですね。ポップの鬼才の曲をポップの匠がカバー、というところでしょうか。完全にニック・ロウ風味で仕上がっています。2013年の彼のオリジナル・クリスマス・アルバム「クオリティ・ストリート」に収録されています。

 


Nick Lowe - I Wish It Could Be Christmas Every Day

I Wish It Could Be Christmas Everyday

I Wish It Could Be Christmas Everyday

  • アーティスト:ウィザード
  • 出版社/メーカー: Wicked Cool Records
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
I Wish It Could Be Christmas Every Day

I Wish It Could Be Christmas Every Day

  • アーティスト:ニック・ロウ
  • 出版社/メーカー: Proper Records
  • 発売日: 2016/12/29
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
Merry Xmas Everybody

Merry Xmas Everybody

  • BMG Rights Management (UK) Ltd
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