まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「FEATURETTE」トット・テイラー(2019)

 おはようございます。

 今日はトット・テイラー。80年代の”ポップおたく”には絶対に忘れられないポップ・マエストロです。

 最近このブログで渋谷系関連を取り上げることが多かったので、その流れで彼のことも思い出しました。それでブログを書こうとネットを調べると、なんと!彼は新曲を発表していたのです。そして、それが、また最高でした。

   コンパクト・オーガニゼーション。彼が持っていたレーベルの名前です。古き良きポップス、ジャズ、映画音楽を蘇生させたような楽曲とおしゃれなアートワーク、そのコンセプチュアルな制作スタイルはピチカートファイブを始めとするアーティストに影響を与えました。

   例えば、レーベルにはこんなアーティストがいました。"スウェーデンの女スパイ"というコンセプトのヴァーナ・リント。

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 エルヴィス・コステロも当時お気に入りのシングルにあげていたそうです。あと、古いスパイ映画のサントラ盤は日本で渋谷系ブームのころに人気でしたので、そのきっかけにもなったわけですね。

 自身のレーベルを持ち、そのマニアックなセンスを全面に打ち出して、所属アーティストの曲作り、アレンジ、プロデュースを手掛けることから、彼のことを”イギリスの大瀧詠一”などと呼んでいるのを見かけますが、大きな違いは大瀧は本人が売れたわけですが、トットの場合、自作はあんまり売れなかったことでしょう。いいんですけどね。

 

 彼は超久しぶりに復活したわけですが、今年10月に「YOKO,OH」というまるでジョン・レノンが歌いそうなピアノ弾き語りのバラードを出しています。

 


TOT TAYLOR: 'YOKO, OH'

 そして10日前に「FEATURETTE」という曲の動画をアップしました。

この曲は彼が学生時代に作ったものなのだそうです。まだ十代の彼に教師が

「お前は自分がすごい人になれると思ってるかもしれないが、とんでもない。怠惰で、バカで間抜けだ、ただの時間の無駄だ。お前は何者にもなれない、ただの”FEATURETTE”だ!」と言われたことがテーマになっています。タイトルには”十代の僕への手紙”という副題が添えられています。

 その教師、とんでもないですが、こういう物言いをする教師は昔からかなりいたようにも思います。 

 ”FEATURETTE"、これが理解しづらい言葉です。短編映画や短時間番組を主に指すようですが、DVDに入っているメイキング映像などのボーナストラックなどにも使うようです。

 メインになるような人物にはなれない、ということを指しているのでしょうか?

 45年もたって、あらためてレコーディングするというのは、そのショックはずっと残っていたんでしょうね。

 ちなみに、この曲のレーベル名は”CAMPUS"という名義になっていますが、イギリスのインディーズ・ファンには有名なレーベル”ラフ・トレード”を介しているようです。


TOT TAYLOR - ‘FEATURETTE’ (CAMPUS 4)

 

Featurette

Featurette

  • アーティスト:TotTaylor
  • 出版社/メーカー: TheCAMPUS
  • 発売日: 2019/12/15
  • メディア: MP3 ダウンロード