まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「Softly」ベニー・シングス(2018)

 おはようございます。

 今日は、昨日登場したレックス・オレンジ・カウンティと共演していたベニー・シングスの「Softly」です。。


Benny Sings - Softly (Official Japan lyric video edition only / 日本限定公開)

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The way you tilt your head, oh
I know it seemed wrong yesterday
But when you give me that, uh
I know that we'll be together

Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time
Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time

It feels like yesterday, oh
Soon we're away and there's no way to stop it
So take a chance and pull over (That's right)
And don't forget what we got, what we got, my girl

Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time
Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time
Yeah, and we won't stop, and we won't run away
I promise that this time around, our love is here to stay
Oh, baby girl
The way you make me laugh inside
I'm not afraid (I'm not afraid, baby)
So come closer, baby, come closer and give me love
Yeah, baby girl

Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time
Do it to me softly
Yes, I like it when you're near me
When you do it to me softly, I know that I'm alive
Just do it to me one more time, yeah

Just do it to me one more time, yeah
Just do it to me one more time
Do it to me one more time, yeah

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君が小首を傾げるしぐさ、ああ

昨日はなにか違和感があった

だけど、君が僕に向けてやっととき

僕たちは一緒になるってわかったんだ

 

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ

 

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ


昨日のことみたいさ、ああ

もうすぐ僕らは離れる それを止めるすべもない

だから、一か八か車を止めて(そうさ!)

僕たちは手にしたことを忘れちゃダメさ、マイ・ガール

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ

 

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ


僕たちは止まらない、僕たちは逃げない

約束するよ今度こそ 僕たちの愛はかわらない

ああ、ベイビー・ガール

 

君が僕を笑わせてくれたやりかたは

心の中にある 僕は心配じゃないよ
だから、もっと近くに来て、ベイビー、

近くに来て愛してほしいんだ

ベイビー・ガール

 

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ

 

それを僕にやってよ、そっと

うん、君が近くにいるとき、そのしぐさが好きなんだ

きみがそっとやってくれたとき 自分がイキイキするのがわかる

もう一回やってよ

もう一回やってよ

もう一回やってよ 、、、    (拙訳)

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 彼女の首を傾けるしぐさが大好きで、もう一回やってよ、という実にたわいもない歌ですが、かえってささやかなことだからこそ幸福感が聴き手にすうっと自然に伝わってくる気がします。

 

 ベニー・シングスはオランダ出身で在住、オランダ出身のポップ・アーティストって僕は他に記憶がないのですが、しかも、彼は今のイギリスやアメリカを見渡しても見つからないような素晴らしくセンスのいいポップスを作り出してくれる貴重な存在です。 

 

  幼い頃ポール・マッカートニーを両親とともに良く聴き、ドナルド・フェイゲンボビー・コールドウェルマイケル・フランクス(彼のボーカル・スタイルに大きく影響を与えていると思います)といったAORを敬愛し、バート・バカラックスティーヴィー・ワンダーにも大きく影響を受けているようです。

 

 CITY POP〜渋谷系、と、もともと日本人は洗練された都市型ポップスに目ざといですから、彼にいち早く反応しました。土岐麻子安藤裕子スキマスイッチ(「晴ときどき曇」という曲のリアレンジをやっています)、ceroなどとも共演しています。

(本国オランダでは彼の音楽性はなかなか理解してもらえないようで、反応してくれるのは”日本のリスナー、アメリカの黒人、あとフランス人”だと彼は言っています)

 

 

 また、日本のTVアニメ「キャロル&チューズデイ」の登場キャラクターの歌を手がけたり、キリンやグリコのTVCM音楽も作っています。
キリン CM 「兄の応援」篇

 

 


「71.8秒のLIFE」

  彼は60年代から80年代の優れたポップ・ソングをイメージさせるソングライターであり、マイケル・フランクスに影響を受けたソフトなボーカリストですが、それだけでは単にレトロになってしまいます。

 彼の曲を新鮮なものにしているのは、そのサウンド。もともと、彼はヒップホップ聴いていました。ただし、ハードコアではなく、デ・ラ・ソウルやファレルがいた”N.E.R.D"などセンスのいいトラックで人気のグループの影響を受けたようです。

 

 そして、最初のオリジナル制作は楽器の弾き語りではなく、そういうヒップホップ・トラック作りのほうからスタートしたそうで、そこがかえってよかったのではないかと思います。

 

 さて、この「Softly」という楽曲は2018年リリースの「CITY MELODY」(海外では「CITY POP」というタイトルになっています)に収録されていたのですが、もともと2011年のアルバム用に書いてリリースしなかった曲だったそうです。スキマスイッチとライヴでこの曲をやったところ、本人はすごくよかったようで、スキマスィッチのバックバンドのアレンジを元にして、レコーディングしたそうです。

 

 僕は、普通に暮らしていく中で耳にした時にふっと気分が軽やかになる、少しだけど心の目盛りが前向きになる、そんな効用がある音楽がポップスならではのものだと思っていますが、この曲などまさにそうだと思います。

 

 ほんと、今の時代では超レアです。アメリカでもイギリスでもない国で、日本とパイプをつなげながら制作している、そんな環境だからこそ、よりピュアなポップスが作れるのかな、などとも思ったりします。

 

 

 「Softly」の東京でのライヴ・ヴァージョンも、”マイケル・フランクス”感が強くなっていいムードです。


BENNY SINGS - SOFTLY (Music Bar Session)

 

 

 

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