おはようございます。
今日はデヴィッド・ボウイの最大のヒット曲にして、彼のキャリアの中ではかなりの異色作であった「レッツ・ダンス」です。
(Let's dance) put on your red shoes and dance the blues
(Let's dance) to the song they're playing on the radio
(Let's sway) while colour lights up your face
(Let's sway) sway through the crowd to an empty space
If you say run, I'll run with you
And if you say hide, we'll hide
Because my love for you would break my heart in two
If you should fall, into my arms and tremble like a flower
(Let's dance)
(Let's dance)
(Let's dance) for fear your grace should fall
(Let's dance) for fear tonight is all
(Let's sway) you could look into my eyes
(Let's sway) under the moonlight, this serious moonlight
And if you say run, I'll run with you
And if you say hide, we'll hide
Because my love for you would break my heart in two
If you should fall, into my arms and tremble like a flower
(Let's dance)
(Let's dance)
(Let's dance) put on your red shoes and dance the blues
(Let's dance) to the song we're playing
(Let's sway)
(Let's sway) under the moonlight, this serious moonlight
(Let's dance)
(Let's...)
(Let's...)
(Let's...)
(Let's sway)
(Let's...)
Let's dance, let's dance, let's dance, let's dance, let's dance
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(踊ろう)赤い靴を履いてブルースを踊るんだ
(踊ろう)ラジオから流れる曲に合わせて
(揺れよう)色とりどりのライトに顔を照らされながら
(揺れよう)混雑を抜けて 誰もいない場所へ
もし君が逃げろというなら 一緒に抜け出そう
隠れろと言うなら、二人で隠れるさ
君への愛は僕の心を真っ二つにするから
もし君が僕の腕の中に倒れ込み、花のように震えるなら
(踊ろう)
(踊ろう)
(踊ろう) 君の気品 を落とさないように
(踊ろう) 今夜がすべてにならないように
(揺れよう)僕の瞳を見つめれば
(揺れよう)月明かりの下で、このシリアスな月明かりの下で
もし君が逃げろというなら 一緒に抜け出そう
隠れろと言うなら、二人で隠れるさ
君への愛は僕の心を真っ二つにするから
もし君が僕の腕の中に倒れ込み、花のように震えるなら
(踊ろう)
(踊ろう)
(踊ろう)赤い靴を履いてブルースを踊るんだ
(踊ろう)僕たちがかける曲に合わせて
(揺れよう)
(揺れよう)人混みを抜けて 誰もいない場所へ (拙訳)
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「レッツ・ダンス」を作るきっかけになったのは、大島渚監督の映画「戦場のメリー・クリスマス」の撮影で南太平洋に長期間滞在したときにさかのぼり、そのとき彼は1950年代の古いR&Bの入ったテープをたくさん持っていき聴いていたそうです。
1980年代初頭の音楽について彼は、スタイルだけで中身がないと感じていて、それに対して
「R&Bは様式化によって本質を失うことがなかった。R&Bはいつも躍動していてエモーショナルです。ふと自分のやっていることに目をむけたら、この躍動感、エモーションこそが欠けていたのだという事実に思いあたったのです。」
(CROSS BEAT 「デヴィッド・ボウイ1983-1988」)
そして、撮影後ニューヨークのクラブでナイル・ロジャースに会い、二人は意気投合します。彼はもともとシックでの彼の仕事ぶり、特にベース、ドラムスの音作りに興味があり、二人とも音楽の嗜好が似ていたそうです。
ナイル・ロジャースはディスコの代表アーティストというイメージが強いですが、もともと彼のいたシックはロキシー・ミュージックのスタイリッシュさを参考にしていたわけで、ロキシーの先輩格であり、スタイリッシュなロックの最大のスーパースターであるボウイには当然興味があったでしょう。
また、ナイルはこの時期初めてのソロ・アルバムを作っていたのですが、それがディスコものではなく、ボウイとの共同作業をイメージできるアーティスティックなスタイルでした(アルバムはセールス的にはコケたようですが)
ちなみに「レッツ・ダンス」はもともと、ボウイがギターの弾き語りで作った"暗いトーン”の”フォーク・ソング”だったといいます。しかし、それをヒットさせたいという要望を受けてナイルがアレンジを加えたのですが、そのときのデモ・ヴァージョンが2018年にオフィシャルにリリースされました。
David Bowie - Let's Dance, Demo (Radio Edit) [Official Audio]
ナイルの十八番である、ファンキーなギターのカッティングが全面に出ていますね。
しかし、当時は人気が下火のディスコ・サウンドを毛嫌いする風潮が強く、ディスコっぽいアレンジでは成功しないと考えて、最終的に彼のギターにも大きくエフェクトをかけたりして印象を変えたそうです。
しかし、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」といい、この「レッツ・ダンス」といい、もともと”地味だった曲”を派手なヒット曲に仕上げたナイルの手腕は大したものです。もちろん、マドンナもボウイも派手な存在感があるというのも大きいでしょうけど。
最後にこの「レッツ・ダンス」が収録されたアルバム「レッツ・ダンス」からもう2曲シングル・ヒットが出ていますのでそちらもぜひ。
「チャイナ・ガール」(1983年 全米10位)
「モダン・ラヴ」(1983年 全米14位)
レガシー 〜ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・デヴィッド・ボウイ (2CD) [ デヴィッド・ボウイ ] 価格:2602円 |