おはようございます。
今日はミスチルの「エソラ」です。
星野源が「SUN」から「恋」という流れで、思いっきりはじけた感じが、かつてのミスチルの「クロスロード」から「イノセント・ワールド」のときと似てるな、と僕は思ったのですがどうでしょうか?だからってなんだということでもないのですが(苦笑
前曲で何かをつかむことができて、その手ごたえ、ノウハウをバネに一気に大ジャンプをしたという感じ、とでもいいますか、、。
ともかく、「イノセント・ワールド」も「恋」も日本のポップス史に輝く大きな達成だと僕は思います。
「イノセント・ワールド」以降、長い葛藤の旅に出ていた(もちろん明るい曲が全くなかったわけではないですが)、彼らが久しぶりに高揚感のあるポップスを作ったと感じさせてくれたのがこの「エソラ」でした。
エソラとは”絵空事”の意味で、「”夢物語”というと気恥しいから」と当時のTV番組でミスチルの桜井和寿が言っていたことをおぼえています。
それから、この曲を作るきっかけになったのが「君の瞳に恋してる」だったそうです。
ワン・フレーズで無条件にぐいぐい引っ張っていって、気持ちを高揚させてくれる、こういう曲を書いた人を尊敬した、とも彼は言っていたと思います。
確かに「君の瞳に恋してる」は気分を高揚させてくれるパワーが史上最高レベルの曲なので納得できますよね。
それから、「イノセント・ワールド」も「エソラ」も音楽が心に働きかけてくるもの、が重要な曲のファクターになっています。
「イノセント・ワールド」のお馴染みのサビ
”いつの日も この胸に 流れてるメロディー
軽やかに 緩やかに 心を伝うよ” と音楽が重要なファクターですが、
「エソラ」はもっと音楽について語った言葉がメインになています。そしてサビは
”メロディーラインが放ったカラフルな魔法のフレーズ
輝きを撒き散らしては 僕らに夢を見せる”
「イノセント・ワールド」に比べて、至福感、高揚感がぐっとアップしています。
音楽によってポジティヴで高揚感のある化学反応が心の中で起こって、絵空事を空想させてくれる、
それがポップスの最大の効用じゃないかと僕は思っています。
高揚させてくれる音楽はもちろん他にもたくさんある、でも他の高揚する音楽はもっとリアルで生々しくて、それに比べポップスはドリーミィでファンタジックなものに思えます。
たとえそれが、高度資本主義を背景とした泡沫のようなファンタジーだとしても、慣れ親しんで共に生きてきた人間にとってはとても大切なものなんです。
ちょっと脱線してしまいましたが、なにより彼らほどのたくさんのオーディエンスを抱えたバンドが、こういう曲をやってくれることが、とても素晴らしく思えます。
そして、桜井和寿ほどのすごい才能をもってしても、こういう”明るく高揚する”曲はたくさんは作れないんだなあ、とも思いますが、また、きっとどこかの節目で作ってくれないかなあ、と僕は密かに期待しています。