まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ウェイク・アップ・エヴリバディ(Wake Up Everybody)」ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ(1975)

  おはようございます。

  ウェイク・アップ・エブリバディ、というと朝にぴったりな感じがしますが、起きなさい!朝ですよ、という意図じゃなく、平和のために目を覚ますんだ、という強く真摯なメッセージがこめられたフィラデルフィア・ソウルを代表する1曲なんですね。


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Wake up, everybody
No more sleepin' in bed
No more backward thinkin'
Time for thinkin' ahead
The world has changed
So very much
From what it used to be
There is so much hatred
War and poverty, whoa, oh


Wake up, all the teachers
Time to teach a new way
Maybe then they'll listen
To what you have to say
'Cause they're the ones who's coming up
And the world is in their hands
When you teach the children
Teach 'em the very best you can


The world won't get no better
If we just let it be, 
The world won't get no better
We gotta change it, yeah
Just you and me


Wake up, all the doctors
Make the old people well
They're the ones who suffer
And who catch all the hell
But they don't have so very long
Before the Judgment Day
So won't'cha make them happy
Before they pass away


Wake up, all the builders
Time to build a new land
I know we can do it
If we all lend a hand
The only thing we have to do
Is put it in our minds
Surely things will work out
They do it every time


The world won't get no better
If we just let it be, na, na, na, na, na, na
The world won't get no better
We gotta change it, yeah
Just you and me


Change it, yeah   Change it, yeah
Just you and me
Change it, yeah  Change it, yeah
Can't do it alone  Can't do it alone
Need some help, y'all
Can't do it alone  Can't do it alone, yeah, yeah
Wake up, everybody   Wake up, everybody
Need a little help, y'all
Just you need a little help
Need some y'all   To change the world
What it used to be
Can't do it alone  Can't do it alone
Need some help, yeah  Need some help, yeah
Wake up, everybody
Get up, get up   Get up, get up
Wake up, come on, come on
Wake up, everybody  Teach a new way
Maybe then they'll listen To what you have to say
Wake up, everybody
No more sleepin' in bed  No more backward thinkin'
Time for thinkin' ahead
Come on
Wake up, everybody
I'm talkin' about the dope pusher
Stop pushin' that dope  Dope users
Stop usin' the dope
Wake up, yeah
Wonder what you tell me, yeah
Wonder what you tell me now
False lyin'  False preachin'  False teachin'
Wake up, y'all
Come on
You preachers    Start preachin' what you teach
Teach the truth    Wake up, preachers
All liars  Politicians
Stop lyin', stop lyin'
Why don't someone
Help the poor people  Help the babies
You businessmen
Start treatin'  Start treatin'、、、
Wake up, yeah、、、、
Now it don't matter
What race, creed, or color
Everybody,we need each other
Wake up, everybody
You see We need
Wake up, everybody  Wake up, everybody
No more sleepin' in bed
No more backward thinkin'
Time for thinkin' ahead
Wake up, all you teachers
Time to teach a new way
They're the ones that suffer
Each and every day
Teach the children  Teach the babies  Teach the children
Teach the babies  Teach the children  Teach the babies
They're the ones who's coming up
In the world, in the world

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 みんな、目を覚ますんだ、ベッドで眠っている場合じゃない

 後ろ向きな考えはやめて これからのことを考える時なんだ

 世界はとんでもなく変わってしまった 昔とは全然違う

 憎しみと戦争と貧困であふれている

 

 教師たちも 目を覚ますんだ 新しい生き方を教える時なんだ

 そうすれば、生徒たちもあなたが言わなきゃいけないことに 

 耳を傾けるかもしれない

   だって彼らはこれから世に出て行って 世界は彼らの手にかかっているから

 子供たちに教える時は 出来る限り最善を尽くして

 僕たちが放っておいたら 世界は良くなることはない

 世界は良くならないから 僕たちで世界を変えて行かなくちゃ

 そう、僕と君たちで

 

 医師たちも 目を覚ますんだ 老人たちを元気にするんだ

 彼らは苦しみ ひどい目に合っている 

 だけど、最後の審判の日までそう長くない だからせめて亡くなるときまでは

 幸せな気持ちになってもらおうよ

 

    建設者たちも 目を覚ますんだ 新しい土地を作るときなんだ

 もしみんな協力しあえれば できるはず

 ただひとつ心に留めておくべきことは そのことだけ

 そうすればきっとうまくいくよ いつだってそうなのだから

 

 変えるんだ 変えるんだ   君たちと僕とで
 一人じゃ無理だ 一人じゃ無理だ  助けがいるのさ
 一人じゃ無理だ 一人じゃ無理だ

 

 目を覚ませ みんな 目を覚ませ みんな
 ちょっと助けが必要なんだ みんな
 ほんのちょっとの助けが
 今までの世界を変えるために みんなが必要さ

 一人じゃ無理だ 一人じゃ無理だ
 助けが必要なんだ 助けが必要なんだ
 目を覚ませ みんな
 目を覚ませ!目を覚ませ!目を覚ませ!目を覚ますんだ!さあ!さあ!

 

 みんな目を覚まして  新しい道を教えるんだ
 そうすれば彼らは君がいうべきことに耳を傾けるかもしれない
 目を覚ませ みんな
 ベッドで眠ってる場合じゃない  後ろ向きな考えはやめよう
 先のことを考える時だ

 さあ 目を覚ませ みんな
 オレはヤクの売人について話してるんだ
 そのヤクを売るな 愛用者たちよ
 ヤクを使うのはやめろ
 目を覚ませ

 お前たちはオレに何を言うんだ
 お前たちはオレにどんなことを言うんだ、いま
 いんちきな嘘 いんちきな説教 いんちきな教え

 目を覚ませ さあ、みんな
 説教者たちよ  お前が教えるべきことを説教するんだ
 真実を教えるんだ  目を覚ませ  伝道師たちよ
 すべての嘘つきたち 政治家ども
 嘘をつくな!嘘をつくな!

 

 どうして誰も
 貧しい人たちを助けない  赤ん坊たちを助けてないんだ
 あなた方 ビジネスマンよ

 手を差し伸べよう 手を差し伸べるんだ

 目を覚ませ、そうだ、、、
 今やどうだっていい
 人種も信条も肌の色も
 みんな お互いが必要なんだ
 目を覚ませ  みんな

 わかるだろ、オレたちに必要なのは
 目を覚ますことさ、みんな、目を覚ませ、みんな
 ベッドで寝てる場合じゃない
 後ろ向きな考えはやめて
 これからのことを考える時だ
 目を覚ますんだ すべての教師たちよ
 新しい道を教える時だ
 苦しむのは彼らなんだ
 毎日、日毎に
 子供たちに教えよう  赤ちゃんに教えよう  子供たちに教えよう
 赤ちゃんに教えよう 子供たちに教えよう 赤ちゃんに教えよう 

 生まれてくるのは彼らなんだ

 この世界に この世界に。。

                            (拙訳)

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 1975年に発表された曲ですが、

 

 "The World Won't Get No Better If We Just Let It Be"

 (僕たちがそのままなるように任せてしまったら、世界は良くならない)

 

 という言葉は、いつの世にも普遍的なものであり、今のような時代ではより説得力があるものではないかと思えます。

 

 ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツは、ザ・ブルー・ノーツという名前で1954年に結成されたといいますから、昨日ご紹介したオージェイズ以上にヒットを出すまでに長い年月がかかったグループです。

 フィラデルフィア・ソウルの2大看板グループは共に長い下積みを経た人たちだったわけです。

 

 ブルーノーツは1970年にバック・バンドのドラマーとしてテディ・ペンダグラスを採用したのち、彼をメイン・ボーカルに抜擢したことが大きな飛躍のきっかけになりました。

  1972年にはフィラデルフィア・インターナショナルと契約し、いわゆる”フィラデルフィア・ソウル”を代表するグループの一つとして一世を風靡します。

 彼らの代名詞といえば1972年にリリースされた、フィラデルフィア・インターナショナルからの第2弾シングル「 If You Don't Me By Now(二人の絆)」(全米3位)でしょう。


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  この曲はフィラデルフィア・ソウルの生みの親ギャンブル&ハフの作詞作曲、プロデュースによる作品。テディ・ペンダグラスの歌いっぷりが見事です。

 

 そして、この「ウェイク・アップ・エヴリバディ」は、彼らの同名の4枚目のアルバムからの最初のシングルとしてリリースされ、全米最高12位とアルバムからの最大のヒットになりました。

 

 曲を作ったのはフィラデルフィア・ソウルの代表的なソングライター・チームであるマクファデン&ホワイトヘッド。そして、やはり数々のフィリー作品を手がけているソングライターでありMFSBトム・ベルの後任キーボーディストをつとめたというヴィクター・カースターフェン。この3人はブルーノーツの「Bad Luck」(1975年全米15位)も書いています。

 

 ちなみにマクファデン&ホワイトヘッドは同じ1972年にオージェイズの代名詞「裏切り者のテーマ(Back Stabbers)」(全米3位)書いています(こちらはレオン・ハフとの共作)。

 

 また彼らはアーティストとして1979年にこんな鉄板ダンス・チューンを出しています。「Ain't No Stoppin' Us Now」。

 


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   さて、この「ウェイク・アップ・エヴリバディ」ですが21世紀に入り、そのメッセージ性に再び注目を集めることになります。

 

 こちらは、2004年の米大統領選(ブッシュとジョン・ケリー)に合わせてリリースされたカバー・ヴァージョン。当然、ブッシュを非難し、ジョン・ケリーに投票しようという意図ですね。ベイビーフェイスとラッセル・シモンズ(デフ・ジャム)のプロデュース。メアリー・J・ブライジ、ブランディ、モニカ、ミッシー・エリオット、エイコンなどこの時代のR&Bのスターが揃い踏みしています。


Wake Up Everybody 2008

 

  2010年にリリースされたジョン・レジェンドザ・ルーツのカバーも素晴らしいです。


John Legend, The Roots - Wake Up Everybody (Video) ft. Melanie Fiona, Com

 

 

 

 

Wake Up Everybody

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