まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「セクシー・バス・ストップ」浅野ゆう子(1976)

 おはようございます。

 今日は和製ディスコ・ナンバーを。

 

 1975年、ディスコで”バンプ”や”ハッスル”といったダンスがが流行する中、列になって同じステップを踏む”バス・ストップ”というのも流行し始めました。

  ブームにあやかって、さっそくこういう曲も作られました。


Fatback Band - (Are You Ready) Do The Bus Stop

 

 ”Do The Bus Stop”。「ハッスル」は"Do The Hustle"、1960年代の「ロコーモーション」は”Do The Loco-Motion"でしたから、一定のスタイルのダンスを踊るときは”Do The~"というんですね。

 

 そして、日本でも”バスストップ”の曲を作ろう、と言い出した音楽関係者がいたようです。その依頼を受けたのが筒美京平。当然「ハッスル」は意識していたのでしょう、

インスト・ナンバーを作ることにします。集められたミュージシャンは、林立夫(ドラムス)鈴木茂(ギター)後藤次利(ベース)矢野顕子(キーボード)というすごいメンバー。ヴァン・マッコイが”スタッフ”のメンバーを集めたのを彷彿させます。

 それから、インストですから、当然あわよくば海外のマーケットも、と考えたようで、オリエンタルなメロディーや和風のアレンジを隠し味的に入れたものとなりました。

 グループ名はDr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス。筒美はJack Diamondというペンネームを使いました。完全に”洋楽のフリ”をしていたんですね。

 

 

  

 狙いは見事にハマって、日本でヒットしたのですが、早い段階でこの曲に目を付けた人がいて、歌詞をつけて浅野ゆう子に歌わせて、それがもう翌月にリリースされます。

作詞はいしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」でタッグを組んだ橋本淳を筒美が指名したようです。「セクシー・バス・ストップ」のB面にはディスコ風にアレンジされた「ブルー・ライト・ヨコハマ」のカバーが収録されました。

 

 この頃、僕はまだ小学生だったのですが、TVで浅野ゆう子が「セクシー・バス・ストップ」を歌っていたのをしっかりおぼえています。

 

 そして、AKB48の「涙のフォーチュン・クッキー」を聴いた時に、僕は「セクシー・バス・ストップ」が自然と浮かんできました。その後PVを見たら、AメロでAKBのメンバーが”バス・ストップ”っぽいステップを踏んでいることに気づきました。

 

 


セクシー・バス・ストップ 浅野ゆう子

 

 

セクシー・バスストップ [EPレコード 7inch]

セクシー・バスストップ [EPレコード 7inch]

 

 

セクシー・バス・ストップ

セクシー・バス・ストップ