まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます

「This Could Be The Night」モダン・フォーク・カルテット(MFQ)(1966)

 おはようございます。

 フィル・スペクター・プロデュースをもう1曲。書いたのは「うわさの男」の二ルソン。

 

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  山下達郎が「Go Ahead」と「Big Wave」の二枚のアルバムでカバーしているので、ファンには大変有名な曲でもあります。

 

   モダン・フォーク・カルテットはサイラス・ファーヤー、チップ・ダグラス、ジェリー・イエスター、ヘンリー・ディルツの4人組フォーク・グループ。洗練されたコーラス・ワークが売りでしたが、よりフォーク・ロック色が強くなっていきます。

 

 ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」(1963)、ライチャス・ブラザーズ「ふられた気持ち」(1964)を大ヒットさせ、時の人となっていたフィル・スペクターですが、1965年にはロネッツは崩壊状態(元はと言えば、フィルがボーカルのロニーと恋仲に落ちたせいなんですが)でライチャス・ブラザーズとも信頼関係が崩れかけていて、そんななか新たなモチベーションになったのがMFQだったのです。

 彼はメンバーを連れて夜な夜なクラブを周り、彼らのライヴで飛び入りして歌を披露したこともあったそうです。

 

 当時彼が気に入っていた二ルソンの曲を彼らに歌わせてレコーディングしましたが、

フィルはリリースしませんでした。そのせいもあってMFQは間も無くして解散、メンバーのジェリー・イエスターはラヴィン・スプーンフルに加入します。ちなみに、フィルはラヴィン・スプーンフルのプロデュースを打診されて「魔法を信じるかい」のデモも聴いたそうですが断ってしまったそうです。

 

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  フィルは二ルソンの曲「パラダイス」「Here I sit」をロネッツでレコーディングしましたが、これもお蔵入りさせてしまいます。(「パラダイス」のセッションにはMFQも参加しているそうです)

 当時まだ成功を夢見るソングライターだった二ルソンはショックだったことでしょう。

 しかし、MFQのメンバーだったチップ・ダグラスは、スタジオでオリジナル曲を歌ってくれた二ルソンの才能に惚れ込んでいた様で、自分がモンキーズのプロデューサーになった時に、二ルソンの「カドリー・トイ」を取り上げ、それによって二ルソンは脚光をあびることになりました。

 ちなみに、二ルソンがモンキーズ用としてチップに渡したデモにはこの「This Could Be The Night」もあったそうです。

 

 MFGの「This Could Be The Night」はリリースはされませんでしたが、1966年フィル・スペクターが深く関わっていたコンサート映画「The Big T.N.T Show」(ロネッツ、バーズ、レイ・チャールズなどが参加)のオープニングで使われています。この時はまだフィルもこの曲をリリースしてヒットさせるつもり満々だったのでしょう。

 音源としては10年後、1976年フィルの未発表曲を集めたコンピレーション・アルバムに収録され初めて陽の目を見ることになりました。

 

「The Big T.N.T Show」のオープニング


Modern Folk Quartet (MFQ) - This Could Be The Night

二ルソンのデモ


Harry Nilsson / This Could Be The Night [Demo]

この曲を大好きだというブライアン・ウィルソンのカバー


Brian Wilson "This Could Be The Night"

そして最後は達郎


Tatsuro Yamashita - This Could Be the Night

 

ザ・ベスト・オブ・ザ・モダン・フォーク・カルテット

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ハリー・ニルソン・ソングブック 1965-1972 ガッタ・ゲット・アップ