おはようございます。
今日はOKAMOTO'S。
パンクのパイオニア的存在のラモーンズはメンバー全員、名字をラモーンと名乗っていました。ラモーンズ好きな彼らは、岡本太郎好きでもあるので、全員オカモト姓を名乗ることにしたようです。
そして、彼が大瀧詠一の「君は天然色」にオマージュをささげた曲がこの「虹」です。
ラモーンズは、フィル・スペクターがプロデュースした作品がありますので、彼らが日本のフィル・スペクター、大瀧詠一に注目したことも納得できます(メンバー全員ただ好きだったらしいですが)。
スタジオにミュージシャン20人も集める大掛かりなレコーディングは、今の業界では予算的にも考えられないものですが、その分機材が格段に進歩したので、オーバーダビング(楽器をどんどん重ねて録音していくこと)によって音を分厚くしていったようです。
また、メンバーは「君は天然色」の各パートの演奏をあらためて研究したようです。
「おそらく、大瀧さんはすごくクリアなサウンドを目指していたと思いますが、僕らは音がグチャっとしていて、なんだかワケのわからないパーティ勘みたいなものが出せたらいいなと思っていました。」(ショウ・オカモト「SOUND DESIGNER」2014年3月号)
大瀧詠一を目指しながらも、着地は”グチャとした”フィル・スペクターのほうに近づいたわけですから、面白いものです。ぐるっとまわって原点に戻ったというか。クリアで高音質なものじゃなく、グチャっとしたアナログっぽい仕上がりのほうが、若い人たちにはピンと来るのでしょう。
そして、「虹」に一番雰囲気が近いのは大瀧でもフィル・スペクターでもなく、ウィザードのこの曲のように僕は感じました。