まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ(See My Baby Jive)」ウィザード(1973)

おはようございます。

今日はウィザードの「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」です。

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Look out! look out! your Momma will shout
You might as well go home
She said my bed get's into your hair
So give me back my comb


But you
You make things that get along
Turn out so wrong
Doo ron, doo ron
You'd better rock on
The band might play our song

 

See my baby jive
See my baby jive
She hangs onto me and she really goes
Whoa (whoa) whoa
See my baby jive
Such a lazy jive
Well every one you meet coming down the street
Just to see my baby jive

 

That tenor horn is turning me on
He's dropped down to his knees
Oh boy that sax is calling me back
This dog ain't got no fleas


But you
You dance all the guys up town
Into the ground
Doo ron, doo ron
You gotta rock on
Your Daddy ain't coming home

 

See my baby jive
See my baby jive
She hangs on to me and she really goes
Whoa (whoa) whoa
See my baby jive
Such a lazy jive
Well every one you meet coming down the street
Just to see my baby jive

 

Too bad,So long,it's driving me mad
The top down on my car
I don't suppose that everyone knows
Exactly who you are


But you
You make things that get along
Turn out so wrong
Doo ron, doo ron
You gotta rock on
The band might play our song

 

See my baby jive
See my baby jive
She hangs onto me and she really goes
Whoa (whoa) whoa
See my baby jive
Such a lazy jive
Every one you meet coming down the street
Just to see my baby jive


Whoa See my baby jive
She hangs onto me and she really goes
Whoa (whoa) whoa
See my baby jive
Such a lazy jive
Every one you meet coming down the street
Just to see my baby jive
See my baby jive

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気をつけて ! 気をつけて!  君のママが叫ぶだろう
家に帰ったほうがいいかもね
彼女は言ったんだ、僕のベッドがイラつかせるって
だから僕のクシを返してくれ

      *get into your hair(イラつかせる)を受けてのmy comb僕の櫛

 

だけど君って
うまくいくはずのものも
とんでもないことにしてしまうのさ
ドゥーロン、ドゥーロン
ノった方がいいぜ
バンドは僕たちの曲を演るかもしれない

 

僕のベイビーがジャイブするのを見てよ
僕の彼女がジャイブするのを見てよ
彼女は僕にしがみついて、本当にやるんだ
うわお、うわお
僕のベイビーがジャイヴするのを見てよ
なんてリラックスしたジャイブ
君の会う人みんなが通りに出てくるよ
僕の彼女がジャイブをするのを見るためだけにね

 

あのテナーホルンで僕のテンションが上がる
彼はひざまずいたんだ
おおボーイ、あのサックスが僕を呼び戻す
この犬にノミはない

 

だけど君は
やつら全員と街まで踊りに行くのさ
ぶっ倒れるまで
ドゥーロン、ドゥーロン
リズムを取るんだ
パパは帰ってこないだろう

 

僕のベイビーがジャイブするのを見てよ
僕の彼女がジャイブするのを見てよ
彼女は僕にしがみついて、本当にやるんだ
うわお、うわお
僕のベイビーがジャイヴするのを見てよ
なんてリラックスしたジャイブ
君の会う人みんなが通りに出てくるよ
僕の彼女がジャイブをするのを見るためだけにね

 

残念だよ、さよならなんて、気が狂いそう
僕の車の屋根は開いている         *drive me crazyを受けてのMy car
みんながみんな知っているとは思えない
君がいったい何者なのかなんて

 

だけど君って
うまくいくはずのものも
とんでもないことにしてしまうのさ
ドゥーロン、ドゥーロン
ノった方がいいぜ
バンドは僕たちの曲を演るかもしれない

 

僕のベイビーがジャイブするのを見てよ
僕の彼女がジャイブするのを見てよ
彼女は僕にしがみついて、本当にやるんだ
うわお、うわお
僕のベイビーがジャイヴするのを見てよ
なんてリラックスしたジャイブ
君の会う人みんなが通りに出てくるよ
僕の彼女がジャイブをするのを見るためだけにね、、、、

 

                      (拙訳)

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 ウィザードはロイ・ウッドという人が組んでいたイギリスのバンドです。

 

 ロイは1960年代後半に”The Move(ザ・ムーヴ)"というバンドを結成し、イギリスでヒット曲を数多くリリースしていました。

 

「Flower In The Rain」(1967年全英2位)

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Blackberry Way」(1968年 全英1位)

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  1972年にザ・ムーヴは解散状態となり、ロイ・ウッドはジェフ・リンらとE.L.O(エレクトリック・ライト・オーケストラ)を結成します。ロックとオーケストラの融合というE.L.Oのコンセプトを考えたのはロイだったと言われています。

 

  しかし、言い出しっぺだったはずの彼は1枚アルバムをリリースし二枚目に取りかかる頃、E.L.Oを辞めてこのウィザードを結成します。E.L.Oのマネージャーとの意見の違いが原因だったようです。

 

  ウィザードはロイがザ・ムーヴのベーシストだったリック・プライスと、彼がその後組んでいたバンド"Mongrel"のメンバー二人にも声をかけ、そこにキーボード兼フレンチホルン、チェロ奏者なども加えて結成されました。

 

 彼らは「グラム・ロック」というジャンルでくくられることが多いですが、グラム(glam)は

 "glamorous"(グラマラス 魅惑的)のこと。Tレックスというバンドがその代表的存在で、初期のデヴィッド・ボウイもそこに分類されています。メイクをほどこしビジュアルを重視するというところは、今でいうビジュアル系もさかのぼってゆくと、このあたりにたどりつくんじゃないでしょうか。

 曲はとにかくキャッチーでノリのいいものが多いのが特徴です。

 

イギリスを代表する音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」の映像

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 ただ、ロイ・ウッドの場合は、ビデオを見ればわかる通り、ビジュアル系のルーツにはほど遠く、どこかの民族の祭りか?というメイクです(ウィザードは”魔法使い”なので、魔法使いをイメージしたメイクなんでしょうけど)。

 そして、この「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」は彼らのセカンドシングルにして全英1位に輝いた大ヒット曲です。

 この曲の外観はグラム・ロック、でも土台はフィル・スペクターサウンドというのがミソです。ウィザードは、ドラマーが二人でチェロや管楽器もいる編成。

”この編成でフィル・スペクターサウンド以外何をやれって言いうんだい?”とロイは話しています。

 具体的にイメージしたのは、このブログでも取り上げた、クリスタルズの「ダ・ドゥ・ロン・ロン」でしょう。

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 親切なことにロン・ウッドはこの曲の中で、「ドゥ・ロン、ドゥ・ロン」というコーラスまで入れて、引用を示唆してくれています。

 そして、同じく「ダ・ドゥ・ロン・ロン」を起点にして、この「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」の手法に目配せもしながら、それにまた様々な曲の要素を取り入れて生み出されたのが、大瀧詠一の「君は天然色」だったりするわけです。

 

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 この「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」は1973年にイギリスで六番目の売り上げを記録したと言いますから相当な大ヒットです。

 1974年にABBAを世界的に有名にした「恋のウォータールー」は、実はこの「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」を参考にして作られたという話もあるんです。なるほど、って感じですね。

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最後は2016年にロイがこの曲を歌っている映像を。

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ウィザードの1stアルバムに「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」などのヒット・シングルをボーナストラックとして追加したアルバム

ウィザード・ブリュウ

ウィザード・ブリュウ

  • アーティスト:ウィザード
  • ユニバーサル ミュージック (e)
Amazon

 

「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」の配信はこちら

 

ウィザードが残した曲で今一番知名度があるのが、このクリスマス・ソング

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ロイ・ウッドはソロでも素敵な楽曲を残しています

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