まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ユー・シー・ア・チャンス(While You See A Chance)」スティーヴ・ウィンウッド(1980)

 おはようございます。

 今日はスティーヴ・ウィンウッド。「ユー・シー・ア・チャンス」です。


Steve Winwood - While You See A Chance

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Stand up in a clear blue morning
Until you see what can be
Alone in a cold day dawning
Are you still free? Can you be?

When some cold tomorrow finds you
When some sad old dream reminds you
How the endless road unwinds you

While you see a chance take it
Find romance fake it
Because it's all on you

Don't you know by now
No one gives you anything?
And don't you wonder how you keep on moving?
One more day your way, oh your way

When there's no one left to leave you
Even you don't quite believe you
That's when nothing can deceive you

While you see a chance take it
Find romance fake it
Because it's all on you

 

Stand up in a clear blue morning

Until you see what can be
Alone in a cold day dawning
Are you still free? Can you be?

And that old gray wind is blowing
And there's nothing left worth knowing
And its time you should be going

While you see a chance take it
Find romance fake it
Because it's all on you

While you see a chance take it
Find romance
While you see a chance take it
Find romance

While you see a chance take it
Find romance
While you see a chance take it
Find romance

While you see a chance take it
Find romance
While you see a chance take it
Find romance

 

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澄んだ青い朝の中 立っている 

自分ができることは何かわかるまで

寒い夜明けにひとりきり 

君はまだ自由なのか?自由でいられるか?

 

寒い朝が君を見つけてしまった時

悲しい古い夢がきみを思い出させてしまった時

終わりなき道が君の心を解きほぐしてくれる

 

チャンスが見えているうちに つかめ

ロマンスを見つけるんだ そう振舞うんだ

だって、すべて自分次第なんだから

 

今まで知らなかったのかい

誰も何も与えてはくれないことを

どうやって動き続けるべきか

疑問に思わないかい?

もう1日だけ 君のやり方で 君なりにやってみるんだ


君から離れる人が誰もいなくなったとき

君が君のことを信じられなくなったとく

そのときこそ、ないもきみを欺くことはできないんだ

チャンスが見えているうちに つかめ

ロマンスを見つけるんだ そう振舞うんだ

だって、すべて自分次第なんだから

 

澄んだ青い朝の中 立っている 

自分ができることは何かわかるまで

寒い夜明けにひとりきり 

君はまだ自由なのか?自由でいられるか?


あの古い灰色の風が吹いている

もう知るべきことなど残っちゃいない

それは君が進むべき時なんだ

 

チャンスが見えているうちに つかめ

ロマンスを見つけるんだ そう振舞うんだ

だって、すべて自分次第なんだから、、、、、

             (拙訳)

 

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 スティーヴ・ウィンウッドはイギリス出身で、エリック・クラプトンなどと並んで、本格的なR&Bやブルースのフィーリングをロックに取り入れた偉大なパイオニアのひとりです。

 

 この曲は、人が何かを決意して挑むときの、きりっと引き締まるような緊張感を見事に表しています。

 

 夢をつかめ、という歌は、ラブソング以外では最も多いテーマの一つかもしれませんが、この曲はすっきりとして、押しつけがましくなく、音楽とメッセージが自然にまっすぐ入ってくる曲だと思います。

 

  歌詞を書いたのはウィル・ジェニングス。のちにクラプトンの「ティアーズ・イン・ヘブン」を書いている人です。ウィルはスティーヴと曲を書くにあたり、ソングライティング以外にもなるべく長く一緒に時間を過ごして、スティーヴをより深く知ろうとしたそうです。自分の目線だけじゃなく、スティーヴの目線でも見ようと。

 

 そして、この曲のトラックを聴きながら、自分が何をすべきか決めるのは自分ひとり、というこの曲のテーマが浮かんだそうです。自分の考えを書くのではなく、スティーヴになりきって書いたからこそ、ここまで自然な説得力が生まれたのかもしれませんね。

 それから、

 find romance fake it との”fake it”という言い方がどうもポジティヴじゃないなあと感じるところがあって、これはtake it ときれいに韻を踏むために仕方なく選んだのかと思ったら

 イギリスの古い表現に

 Fake it till you make it(できるようになるまで、できるふりをしろ)

 というのがあるそうです。

なんでも、頭でできないと決めつけちゃうと、できなくなるのが、人間ですからね。

まずは、できるふりをしろ、、なるほど、納得してしまいました。

 

 この「ユー・シー・ア・チャンス」は彼の本国イギリスでは45位で終わってしまいましたが、アメリカでは7位の大ヒットになっています。

 ちなみに、この曲も、この曲が収録された「アーク・オブ・ア・ダイヴァー」というアルバムも全楽器を彼一人で演奏しているそうです。

  

  最後はこの曲のライヴ・ヴァージョンを。2017年の「Winwood Greatest Hits Live」から。

www.youtube.com

 

 

 

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