まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「All Around Me」Char(1989)

おはようございます。

今日はCharの「All Around Me」です。

 *オフィシャル音源の動画ありませんでしたので、2021年のライヴ映像を。

www.youtube.com

When I wake up in the morning light
I can hear the nature calling out to me now
It's alright to say what's on your mind
Just as long as you feel that it's right
Can you feel the love
All around you
Are you free to be
What you want to be

When I see the moon up in the sky
Sending light on to the misty snow
Here I am under the midnight sky
Talking to the wind that's blowing by
I can feel the love
All around me
I am free to be
What I wanna be just as long as I
Have a hold on me when ever I'm down
I'll just look up high above me

When the rain falls on my shoulder
I remember you cried for me
Like the summer rain tears will never stay
Like the sun I will dry it up forever
Won't you stand with me
Through the midnight sky
And wake with me
In the bright morning light

Listen to the seasons changing by
Every living thing must face its life, yeah

Yes the sun above will be your guide
Just stand up straight and tall
I can feel the love
All around me
I am free to be
What I wanna be just as long as I
Have a hold on me when ever I'm down
I'll just look up high above me
High above me

 

When the rain falls on my shoulder
I remember you cried for me
Like the summer rain tears will never stay
Like the sun I will dry it up forever
Won't you stand with me
Through the midnight sky
And wake with me
In the bright morning light

Can you feel the love
All around you

 

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朝の光の中で目を覚ますと
自然がオレを呼んでいるのが聞こえる
思ったことは口に出していいのさ
それが正しいと感じてる限りは
愛を感じることができるかい?
キミのまわりに
なりたい自分になれるだけ自由かい?

 

空に昇った月を見ると
雪煙に光を投げかけている
オレは真夜中の空の下にいて
吹き抜ける風に語りかけてみる
愛を感じるんだ
オレのまわりに
オレはなりたい自分になれるくらい自由さ
ダメな時でも持ちこたえることができる限り
オレはただ、高いところを見上げているだけなんだ

 

オレの肩に雨が降るとき
キミがオレのために泣いてくれたことを思い出す
夏の雨のように涙はとどまりはしない
太陽のように永遠に乾かしてあげるよ
オレと一緒に立ってくれないか
真夜中の空を
僕と一緒に目覚めよう
明るい朝の光の中で

 

移りゆく季節に耳を傾けて
すべて生きとし生けるものは、
自分の命と向き合わなければいけないんだ

 

そうさ、空の太陽がキミを導いてくれる
ただしゃんと背筋を伸ばして
愛を感じるんだオレのまわりに
オレはなりたい自分になれるくらい自由さ
ダメな時でも持ちこたえることができる限り
オレはただ、高いところを見上げているだけなんだ
オレの頭の上ずっと高く

 

オレの肩に雨が降るとき
キミがオレのために泣いてくれたことを思い出す
夏の雨のように涙はとどまりはしない
太陽のように永遠に乾かしてあげるよ
オレと一緒に立ってくれないか
真夜中の空を
僕と一緒に目覚めよう
明るい朝の光の中で

 

愛を感じることができるかい?
キミのまわりに                                           (拙訳)

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 ”When I Wake Up In The Morning Light"というフレーズで始まるこの歌、リリースされた頃僕は1ヶ月くらい毎朝出勤前に聴いていたことがあります。するとなんか会社行くの面倒臭いなあ、という気持ちがグッと軽減されたて、まあ何とかなるっしょという気分になれた記憶があります。

 

 この曲はまずアコースティック・ヴァージョンで発表されて、それが1988年。

 僕が今回ピックアップしたエレキ・ヴァージョンが1989年にシングル発売されたのですが、その時のタイトルは「WHEN I WAKE UP IN THE MORNING...」でした。



 

 歌詞は、

 自分の心の声に従っていれば、思っていることを口に出していい。自分の周りに愛を感じるし、自分が思ったようなものになれる自由がある、落ち込んだ時は空高く見上げて、、

 自分らしく自然に、俺は自由なんだから、というリラックスした感じは、「雨にぬれても」の主人公をアップデートしたような感じもあります。

 

 そして、自分らしく、自由に生きる、というのは今の人たちに、あらためて突きつけられたテーマでもありますよね。

 

 Charは正真正銘日本を代表するギタリスト、それに異論を唱える人は一人もいないんじゃないでしょうか。

 でも、僕は、彼は日本のポップスの流れを変えた重要人物の一人だったとも思っています。

 彼がデビューした1976年、小六だった僕は音楽に夢中になり始めたのですが、日本の音楽がちょうど歌謡曲、フォーク全盛期から、洋楽色の強い洗練されたポップ/ロックへと一気に変わり始めたタイミングでした。僕はすごくワクワクしたのをおぼえています。

 

 それを牽引したのが”ロック御三家”と呼ばれた、Char、原田真二世良公則&ツイスト、それにゴダイゴ、少し遅れて現れたサザン・オールスターズ、といったアーティストでした。

 僕のような田舎に住む中学生にとっては、彼らが演歌、アイドル、フォークの人たちと、同じ土俵に立ってTVで頑張ってくれたことが、今思うとすごくありがたかったと思います。

 彼らが、ユーミン山下達郎オフコースのようにテレビにあまり出ないスタンスだったら、日本のポップスの変革のスピードはかなり遅くなった気がします。

 

 特にCharは原田真二世良公則より先にデビューしていて、歌謡曲全盛の世界にいどむことになり、迷った末にどうせやるなら一番主役の作家とやると決心して、阿久悠に作詞を依頼します。

 今になってみると彼の動きは、後続の新しいアーティストのために道を拓いた試みだったと思います。

 

 そして生まれたのがこの3作でした。

「気絶するほど悩ましい」

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逆光線

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最大のヒットとなった「闘牛士

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1970年代後半、歌謡曲、フォークから都会的なポップ・ロックに移行していく時代、

映画やドラマでは松田優作のような都会型アウトローが人気を集めていた、そんな時代に見事にシンクロしていたのがこの三部作だったと僕は思います。

 

最後は「闘牛士」の次のシングルを。さほどヒットしませんでした、実はこの曲僕はホントに大好きなんです。

「Girl」

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 *サブスクでは「All Around Me」のさまざまなLIVE音源を聴くことができます

 

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